BRICs Watch - June 2008
(注) この記事は2008年7月18日の記事の再録です。
毎月本コラムをチェックしている人、驚いたでしょ?(笑)
今月こんなに早く出すなんて、って。
ええ、自分でも驚きです。
いや、正確には驚くくらい良く働いたです(苦笑)
というのも、来週から英国に出張に出かけます。
最初はダブリン(って、既に英国じゃないし(苦笑))
そのあとロンドン、そしてジャージーの予定です。
となると、レポートを書いて最終稿を作っておくる時間がないのです!!!(TT)
なので、出発前に片付けようとしたら、東京は先週の終わりから
暑くなったのですね。夜2時に寝たとしても規則正しく 6時頃に目が覚める!
最初は、先週の後半ずっとあった朝食会議等の為に体が朝型になったか?
と思ったのですが、どうもそうでもない。単に暑くて、まぶしくて、
目が覚めるだけなのですね。
なんにせよ、おかげで睡眠不足炸裂です(苦笑)
ねむログに蓄積した
私の睡眠時間の平均値が毎日落ちていくのが悲しいかな
数値で改めて見ると愕然とする
のと一緒なんですね。。。
ということで、本文にいきましょうか。
乱筆はいつもの事ですが、誤字脱字は睡眠不足のせい、とご容赦ください。
6月に入り、インドがBRICs 諸国で最後に政策金利の引き上げを行い、これにより BRICs 諸国すべてがインフレ抑制を行うことになりましたが、BRICs 諸国で世界経済の成長率のほぼ半分を占めていることをふまえると、これは世界で最も成長している経済の減速するリスクでもあるという見方も出来ます。
OECD諸国による 2008年の対外投資額は 1兆 1400億米ドルと前年比で 37% 減少するものとの見通しです。特に中国やインドといった新興国への投資は約40%減少する可能性があると見られています。2007年の対外投資額は 過去最高の 1兆 8200億米ドルでした。企業の買収・合併の低迷や世界経済の不透明感が強まっていることに加えて、欧米でのインフレ圧力の上昇が投資見通しにとって主なリスクになっているという見方があることからです。
ブラジルレアルは中央銀行はインフレ率の年末予想を 6.08%から 6.3%に上昇。またインフレ率予想の上方修正を受けて債券市場も8ヶ月ぶりの水準に金利が上昇し、これを受けて通貨も9年ぶりの最高値の水準から世界的な株式市場の下落を受けて一旦は落ちたものの、月末に反転し対ドル高傾向に戻りました。2008年第二四半期で 10%、年初来でも 11.8%の上昇を記録しました。一方、インフレの上昇に伴って、5月の工業生産成長率は鈍化が予想されています。
インフレの指標となる消費者物価、建築価格および卸売価格から構成された IGP-M は6月に 1.98% と前月の1.61%から加速。特に卸売価格価格が世界的に価格が下がらない事への予想から生産者から価格の移転が通常より早いペースで行われているものと見られています。卸売価格は 2.01%から 2.27%に上昇しましたが、その主因は 3.11%上昇した原材料です。2007年6月から比べて IGP-M は 13.44%上昇しました。これは2003年10月以来で2007年6月の3.89%のほぼ3倍です。卸売価格は IGP-M の 60%を占める事から、政府のベンチマークである IPCA 消費者物価指数と比べて IGP-M は上昇が速いです。一方消費者物価はガソリンへの課税を軽減する事で価格上昇を押さえられています。 IGP-M での消費者物価指数の上昇は 前月から 0.89%、12ヶ月前からで 5.82%となっており、政府目標の 4.5%の上下 2%幅には収まっております。
月中に発表となる消費者物価指数 IPCA-15の上昇率も、 月次で 0.9% と前月の 0.56% から大きく上昇しましたが、これは 2004年 7月に記録した 0.93%以来の大幅上昇でした。食料価格、特に米が ひと月で 17%上昇した事が大きく影響しております。また、中央銀行は食料価格の上昇と国内需要がインフレ率を年末までに年率換算で6%にまで押し上げるものと予想しております。
また、月初に発表される消費者物価指数 IPCAも 5月は 0.79% と、2005年4月以来の上昇を見せました。12ヶ月の上昇率も 5.58% と 2006年1月以来の高い水準でした。
高い消費に支えられて、経済成長率は最初の四半期で 5.8% でした。GDP の成長は過去の4四半期で 5.76%でしたので、1995年以来の速いペースですが、2007年の第4四半期が 6.2%でしたので減速感が否めません。
5月は利息支払い前は歳入超過でしたが、利息支払い後ではおよそ 18.7億米ドルの債務超過に。しかし前月や前年同月から比べると超過幅は減少。
大統領は国営の石油会社ペトロブラス社が昨年 11月に1976年にメキシコ・カンタレル油田を発見して以来最大となる 80億バレル規模のツピ油田の発掘に成功した事を受けて、国内の原油所蔵量を現在の三倍として、また単なる原油の輸出に留まらず精製後の製品の輸出に重きをおくことで同国の貧困対策を行うと明言しました。
5月の失業率は4月の 8.5%から 7.9%に改善。1-5月期の政府に登録された求人数が前年同時期に比べて 15.1%増加しました。
貿易収支は 1-5月で 2001年以来の 35億米ドルの赤字を計上しました。前年同時期は 62億米ドルの黒字のところ、電気通信セクターでの50億ドルの赤字を主因として赤字が広がったものと見られております。
4月に Fitchが、5月に S&P がそれぞれブラジルの格付けの格上げを発表しましたが、Moody's は政府による債務負担が GDP の 57%に及ぶことからその負担の大きさを考慮して年内の格付けはないとみています。
4月の小売売上高伸び率は 8.7% と過去7ヶ月でもっとも遅いペースになりました。中央銀行による政策金利の引き上げが国内需要を押さえはじめていると見られています。一方過去12ヶ月の小売売上高の伸び率は 10.3%と統計を取り始めた 2001年でもっとも高い伸び率を示しました。しかしながら、食品の売上高の伸び率は この12ヶ月で 0.6%と、二桁の価格上昇を見せることで貧困層の購入を困難にしているものと見られています。
中央銀行はインフレの抑制のために 4日に指標となる貸し出し金利を 0.5%引き上げて 12.25%にしました。
5 月のサンパウロ株式市場へ海外からの純資金流入は 3億2610万米ドルと、4月の10分の1に減少しました。4月は統計を取り始めた2000年以降で最多の純資金流入でした。商品価格の下落懸念から落ち込んだものと見られています。
5月の貿易黒字は 41億米ドルと13ヶ月ぶりの最高額となりました。商品価格の上昇によるメリットと税務署の2ヶ月にわたるストライキによる海外への輸出の加速が要因です。輸出が 37%増えて 193億米ドル、輸入も 152億米ドルと前月の123億米ドルに比べて増加しました。
ロシアルーブルは月次ベースで1.2% 対ドル高に動き、この2ヶ月の対ドル安を解消しました。中央銀行が管理している通貨バスケットは、10日以降一日の値動き制限幅が 0.5%に広がった事で為替の方向性が不安定になりましたが、一方通貨バスケットに対しては月末までの14営業日で連続してルーブル高に動きました。その結果、今年前半で 0.6%上昇しました。今後この取引幅制限は 5%まで段階的に広げられる予定です。現在の政策金利であるレポ金利は 6.75%であることからいわゆるキャリートレードの標的になっております。取引幅制限の拡大により金利上昇の影響が海外からの資本流入にあまり影響を及ぼさないものと見られています。
ロシアの今年前半の海外からの資本流入と流出はほぼ同額になりそうとの試算。
外貨準備金残高は過去最高の 5587億米ドルに積み上がりました。
プーチン大統領は来年より最低賃金を現行の2倍にする方針を5月に表明しましたが、これによるインフレへの影響は少ないものとみています。5月に過去5年以上でもっとも高い水準である年率で 15.1%のインフレ率を記録しており、インフレの鎮静が求められています。ロシアは経済成長がガスや石油の輸出により10年目に入り、その結果政府が対外債務の返済とともに年金の積み上げや公共部門の賃金引き上げを行い、結果として家計の消費の加熱をもたらしました。インフレの背景には、年率で22%上昇した食品価格があげられます。
ロシアは今年の終わりまでに WTO(世界貿易機関)に加盟し、貿易交渉に終わりを告げ、原油価格の下落時でも経済成長を支えられるようにしたい考えを示した。特にEU諸国はロシアの経済の自由化を求めており、WTOへの参加は輸出関税、特に木材への課税は解決したい問題の一つでした。
インフレの先行指数となる生産者価格指数は4月までの過去2ヶ月で 27.4%の上昇であったところ5月までの2ヶ月では 25.1%と減速傾向にあります。これはルーブル高による輸入品の価格の低下によるものと見られております。
また、工業生産成長率は、年率で前月の 9.2%から 6.7%に下落しました。
2008年第一四半期のGDP成長率は 8.5%と2007年第四四半期の 9.5%から減速。
インフレ対策のため、中央銀行は 9日にリファイナンシング金利を 0.25% 引き上げた。今年にはいって3回めの利上げ。
インドルピーは11日に1年3ヶ月ぶりに政策金利である翌日物レポ金利を引き上げたものの、市場に対してあまりにも小幅で遅すぎたもので、下落傾向を止める事が出来ず、2007年4月以来の最安値を記録しました。その後、24日に予想外に再度引き上げた事から三週間ぶりの高値圏に戻したものの、2008年第2四半期でこの10年で最悪となる7.2%対ドル安を記録しました。 年初来6ヶ月で 31%下落した国内株式市場の下落で海外投資家がその株式保有比率をさげたことや、原油の高騰が米ドルの需要を押し上げたとみられております。
5月の輸出額の増加は 前年同月比 13%増の 138億米ドルでしたが、4月の 31.5%には及びませんでした。世界経済の減速感から衣類や鉄、電気製品の輸出が伸び悩みました。一方、輸入額は27%増加して 245億米ドルでした。
経常赤字は2008年第一四半期に輸出と送金額が原油の輸入を上回ったことから 10.4億米ドルと前四半期の51億米ドルから減少しました。原油の輸入が前年同時期に5.3%増加したところ 89%増加しました。商品輸出は20%増加し 428億米ドルだった、輸入が 37%増加して 666億米ドルでした。また、ソフトウェアの輸出や送金といった無形的なものは 26%増加して 228億米ドルとなりました。
4月の工業生産高成長率は 7%と3月の 3.9%からは上昇しましたが前年同時期の 11.3%から減速しました。米自動車大手、ゼネラル・モータースやフォード・モーター等の企業がインドでの生産能力を拡大した事から。ただし、インドや周辺地域では、インフレ加速や借り入れコストの上昇が、消費者や企業の支出を妨げるとみられており、今年の生産の伸びが鈍化する可能性があります。
4月の輸出額の成長率は、過去12ヶ月間で 31.5%、額にして 144億米ドル増加しました。これは 3月末の 26.6% を上回ります。他方、4月の輸入額の成長率は36.6%、243億米ドルでしたので、貿易赤字は過去最多の 98.7億米ドルとなりました。
インドの外貨準備金残高は 3125 億米ドルにまで積み上がりました。
インドの卸売物価指数 (WPI) は6月7日現在で 前年同期比 11.05%、14日現在でも 11.42%上昇しました。原油価格の高騰から小売りの燃料価格の引き上げを余儀なくされた事から、伸び率としては13年ぶりの高水準に加速しました。世界銀行の推定によると、インドでは人口11億人の約半数が一日あたり2米ドル未満での生活を強いられており、インフレ加速は購買力の低下につながっています。こうした状況がルピー安を加速させ、輸入物価の上昇や投資資金の国外逃避、国際収支の更なる悪化を招きました。インド証券取引委員会(SEBI)の統計によると、外国のファンドマネジャーは昨年、インド株・債券を195億米ドル買い越したものの、今年これまでは 53億米ドル売り越しています。
インド準備銀行は6月に政策金利である翌日物レポ金利を 2回引き上げ6年ぶりとなる 8.5%としました。また同時に預金準備率も 8.25%から 8.75%に引き上げました。この金利引き上げには強いルピーを求め、原油をはじめとする輸入コストの軽減によりインフレを抑制したいという意図があるものと見られています。
中国人民元は週次ベースで4週連続上昇し、また四半期ベースで 2.3%の上昇をみせて12四半期連続で対ドル高となりました。年初からの6ヶ月で 6.6%上昇し、昨年一年間で上昇した 6.86%にも到達する勢いです。一方、株式市場の指標となる CSI 300指数は世界的な景気減速とインフレ対策の為に利上げが行われるとの観測が広がったことから月次ベースで下落し、また今年前半でも 48%減少しました。
資本流入は年初4ヶ月で 3240億米ドルと前年同時期の2倍になっています。いわゆる「ホットマネー」がインフレ対策の中で注視されているものですが、他方で資本の出入りは今後自由になるものと見られております。2007年中は「ホットマネー」として5,000億米ドルが中国に流入したものと見られています。うち、貿易関連の投機的資金流入は2181億米ドル、また海外からの直接投資に伴うホットマネー流入は557億米ドル、中国系合弁企業による海外での借り入れ関連も 42億米ドル。
1-5月期の固定資産投資は前年同期比 25.6%の4兆300億元でした。また、5月の対中直接投資は前年同月比 37.9% の 78億ドルとさらに過剰流動性が一段と高まりました。
事業会社の収益は5月までの12ヶ月間で 20.9%、1600億米ドル相当増加しましたが、前年同時期で42.1%の増加と、半減しました。原材料価格や原油価格の上昇と人民元の上昇が製造輸出業者の収益を押し下げているものと考えられます。
外貨準備金残高は5月末時点で 1兆8000億米ドルに到達しました。対外純金融資産は 1兆 220億米ドルと2007年末の 67%増。
6月に精製業者の利益の改善の為にガソリンや軽油などの価格を上昇を許容したことで、消費者物価が 1%の上昇がおこるものと見られていますが、他方5月に消費者物価の上昇が緩やかになっていることを受けて、政府にとってエネルギー価格の上昇を導入しやすいタ
イミングでした。
5月の鉱工業生産成長率は、4月の 15.7%から更新して 16% でした。内需、外需ともに好調で世界的な景気減速のなか中国の景気が依然力強く拡大しているとする新たな兆候が示されました。5月は輸出が急増し、小売り売上高の伸び率が21.6%増と 9年ぶりの高水準を維持しました。四川大地震で四川省の生産環境は混乱していますが、鉱工業生産は拡大しています。1-3月期の国内総生産伸び率は 10.6%でした。
5月の輸出は前年同月比 28.1%増と市場の予想に反して伸びが加速しました。輸入も前年同月比40% 増とおよそ 4年ぶりの高い伸び率となりました。
2007年の経常黒字は前年比 49%増の 3,718億米ドル。
5月の消費者物価指数は前年同月比 7.7%上昇と、12年ぶりの高い伸びに接近した4月から減速しました。食品価格の高騰も年初の大吹雪の影響から生産者が回復したことから減速しました。
5月の生産者物価指数は (PPI) は前年同月比 8.2%の上昇と、政府の物価抑制努力にもかかわらず 4月の 8.1% 上昇から加速し、この3年余りで最も高い伸びとなりました。
5月の四川大地震により、今年の経済成長率が生産活動の途絶により 0.1%押し下げられる一方、その復興計画により0.4% 押し上げられるとの試算をしました。
中央銀行はインフレ抑制のために、銀行に対して準備残高比率を今年五回めとなる17.5% に引き上げました。
毎月本コラムをチェックしている人、驚いたでしょ?(笑)
今月こんなに早く出すなんて、って。
ええ、自分でも驚きです。
いや、正確には驚くくらい良く働いたです(苦笑)
というのも、来週から英国に出張に出かけます。
最初はダブリン(って、既に英国じゃないし(苦笑))
そのあとロンドン、そしてジャージーの予定です。
となると、レポートを書いて最終稿を作っておくる時間がないのです!!!(TT)
なので、出発前に片付けようとしたら、東京は先週の終わりから
暑くなったのですね。夜2時に寝たとしても規則正しく 6時頃に目が覚める!
最初は、先週の後半ずっとあった朝食会議等の為に体が朝型になったか?
と思ったのですが、どうもそうでもない。単に暑くて、まぶしくて、
目が覚めるだけなのですね。
なんにせよ、おかげで睡眠不足炸裂です(苦笑)
ねむログに蓄積した
私の睡眠時間の平均値が毎日落ちていくのが悲しいかな
数値で改めて見ると愕然とする
のと一緒なんですね。。。
ということで、本文にいきましょうか。
乱筆はいつもの事ですが、誤字脱字は睡眠不足のせい、とご容赦ください。
6月に入り、インドがBRICs 諸国で最後に政策金利の引き上げを行い、これにより BRICs 諸国すべてがインフレ抑制を行うことになりましたが、BRICs 諸国で世界経済の成長率のほぼ半分を占めていることをふまえると、これは世界で最も成長している経済の減速するリスクでもあるという見方も出来ます。
OECD諸国による 2008年の対外投資額は 1兆 1400億米ドルと前年比で 37% 減少するものとの見通しです。特に中国やインドといった新興国への投資は約40%減少する可能性があると見られています。2007年の対外投資額は 過去最高の 1兆 8200億米ドルでした。企業の買収・合併の低迷や世界経済の不透明感が強まっていることに加えて、欧米でのインフレ圧力の上昇が投資見通しにとって主なリスクになっているという見方があることからです。
ブラジルレアルは中央銀行はインフレ率の年末予想を 6.08%から 6.3%に上昇。またインフレ率予想の上方修正を受けて債券市場も8ヶ月ぶりの水準に金利が上昇し、これを受けて通貨も9年ぶりの最高値の水準から世界的な株式市場の下落を受けて一旦は落ちたものの、月末に反転し対ドル高傾向に戻りました。2008年第二四半期で 10%、年初来でも 11.8%の上昇を記録しました。一方、インフレの上昇に伴って、5月の工業生産成長率は鈍化が予想されています。
インフレの指標となる消費者物価、建築価格および卸売価格から構成された IGP-M は6月に 1.98% と前月の1.61%から加速。特に卸売価格価格が世界的に価格が下がらない事への予想から生産者から価格の移転が通常より早いペースで行われているものと見られています。卸売価格は 2.01%から 2.27%に上昇しましたが、その主因は 3.11%上昇した原材料です。2007年6月から比べて IGP-M は 13.44%上昇しました。これは2003年10月以来で2007年6月の3.89%のほぼ3倍です。卸売価格は IGP-M の 60%を占める事から、政府のベンチマークである IPCA 消費者物価指数と比べて IGP-M は上昇が速いです。一方消費者物価はガソリンへの課税を軽減する事で価格上昇を押さえられています。 IGP-M での消費者物価指数の上昇は 前月から 0.89%、12ヶ月前からで 5.82%となっており、政府目標の 4.5%の上下 2%幅には収まっております。
月中に発表となる消費者物価指数 IPCA-15の上昇率も、 月次で 0.9% と前月の 0.56% から大きく上昇しましたが、これは 2004年 7月に記録した 0.93%以来の大幅上昇でした。食料価格、特に米が ひと月で 17%上昇した事が大きく影響しております。また、中央銀行は食料価格の上昇と国内需要がインフレ率を年末までに年率換算で6%にまで押し上げるものと予想しております。
また、月初に発表される消費者物価指数 IPCAも 5月は 0.79% と、2005年4月以来の上昇を見せました。12ヶ月の上昇率も 5.58% と 2006年1月以来の高い水準でした。
高い消費に支えられて、経済成長率は最初の四半期で 5.8% でした。GDP の成長は過去の4四半期で 5.76%でしたので、1995年以来の速いペースですが、2007年の第4四半期が 6.2%でしたので減速感が否めません。
5月は利息支払い前は歳入超過でしたが、利息支払い後ではおよそ 18.7億米ドルの債務超過に。しかし前月や前年同月から比べると超過幅は減少。
大統領は国営の石油会社ペトロブラス社が昨年 11月に1976年にメキシコ・カンタレル油田を発見して以来最大となる 80億バレル規模のツピ油田の発掘に成功した事を受けて、国内の原油所蔵量を現在の三倍として、また単なる原油の輸出に留まらず精製後の製品の輸出に重きをおくことで同国の貧困対策を行うと明言しました。
5月の失業率は4月の 8.5%から 7.9%に改善。1-5月期の政府に登録された求人数が前年同時期に比べて 15.1%増加しました。
貿易収支は 1-5月で 2001年以来の 35億米ドルの赤字を計上しました。前年同時期は 62億米ドルの黒字のところ、電気通信セクターでの50億ドルの赤字を主因として赤字が広がったものと見られております。
4月に Fitchが、5月に S&P がそれぞれブラジルの格付けの格上げを発表しましたが、Moody's は政府による債務負担が GDP の 57%に及ぶことからその負担の大きさを考慮して年内の格付けはないとみています。
4月の小売売上高伸び率は 8.7% と過去7ヶ月でもっとも遅いペースになりました。中央銀行による政策金利の引き上げが国内需要を押さえはじめていると見られています。一方過去12ヶ月の小売売上高の伸び率は 10.3%と統計を取り始めた 2001年でもっとも高い伸び率を示しました。しかしながら、食品の売上高の伸び率は この12ヶ月で 0.6%と、二桁の価格上昇を見せることで貧困層の購入を困難にしているものと見られています。
中央銀行はインフレの抑制のために 4日に指標となる貸し出し金利を 0.5%引き上げて 12.25%にしました。
5 月のサンパウロ株式市場へ海外からの純資金流入は 3億2610万米ドルと、4月の10分の1に減少しました。4月は統計を取り始めた2000年以降で最多の純資金流入でした。商品価格の下落懸念から落ち込んだものと見られています。
5月の貿易黒字は 41億米ドルと13ヶ月ぶりの最高額となりました。商品価格の上昇によるメリットと税務署の2ヶ月にわたるストライキによる海外への輸出の加速が要因です。輸出が 37%増えて 193億米ドル、輸入も 152億米ドルと前月の123億米ドルに比べて増加しました。
ロシアルーブルは月次ベースで1.2% 対ドル高に動き、この2ヶ月の対ドル安を解消しました。中央銀行が管理している通貨バスケットは、10日以降一日の値動き制限幅が 0.5%に広がった事で為替の方向性が不安定になりましたが、一方通貨バスケットに対しては月末までの14営業日で連続してルーブル高に動きました。その結果、今年前半で 0.6%上昇しました。今後この取引幅制限は 5%まで段階的に広げられる予定です。現在の政策金利であるレポ金利は 6.75%であることからいわゆるキャリートレードの標的になっております。取引幅制限の拡大により金利上昇の影響が海外からの資本流入にあまり影響を及ぼさないものと見られています。
ロシアの今年前半の海外からの資本流入と流出はほぼ同額になりそうとの試算。
外貨準備金残高は過去最高の 5587億米ドルに積み上がりました。
プーチン大統領は来年より最低賃金を現行の2倍にする方針を5月に表明しましたが、これによるインフレへの影響は少ないものとみています。5月に過去5年以上でもっとも高い水準である年率で 15.1%のインフレ率を記録しており、インフレの鎮静が求められています。ロシアは経済成長がガスや石油の輸出により10年目に入り、その結果政府が対外債務の返済とともに年金の積み上げや公共部門の賃金引き上げを行い、結果として家計の消費の加熱をもたらしました。インフレの背景には、年率で22%上昇した食品価格があげられます。
ロシアは今年の終わりまでに WTO(世界貿易機関)に加盟し、貿易交渉に終わりを告げ、原油価格の下落時でも経済成長を支えられるようにしたい考えを示した。特にEU諸国はロシアの経済の自由化を求めており、WTOへの参加は輸出関税、特に木材への課税は解決したい問題の一つでした。
インフレの先行指数となる生産者価格指数は4月までの過去2ヶ月で 27.4%の上昇であったところ5月までの2ヶ月では 25.1%と減速傾向にあります。これはルーブル高による輸入品の価格の低下によるものと見られております。
また、工業生産成長率は、年率で前月の 9.2%から 6.7%に下落しました。
2008年第一四半期のGDP成長率は 8.5%と2007年第四四半期の 9.5%から減速。
インフレ対策のため、中央銀行は 9日にリファイナンシング金利を 0.25% 引き上げた。今年にはいって3回めの利上げ。
インドルピーは11日に1年3ヶ月ぶりに政策金利である翌日物レポ金利を引き上げたものの、市場に対してあまりにも小幅で遅すぎたもので、下落傾向を止める事が出来ず、2007年4月以来の最安値を記録しました。その後、24日に予想外に再度引き上げた事から三週間ぶりの高値圏に戻したものの、2008年第2四半期でこの10年で最悪となる7.2%対ドル安を記録しました。 年初来6ヶ月で 31%下落した国内株式市場の下落で海外投資家がその株式保有比率をさげたことや、原油の高騰が米ドルの需要を押し上げたとみられております。
5月の輸出額の増加は 前年同月比 13%増の 138億米ドルでしたが、4月の 31.5%には及びませんでした。世界経済の減速感から衣類や鉄、電気製品の輸出が伸び悩みました。一方、輸入額は27%増加して 245億米ドルでした。
経常赤字は2008年第一四半期に輸出と送金額が原油の輸入を上回ったことから 10.4億米ドルと前四半期の51億米ドルから減少しました。原油の輸入が前年同時期に5.3%増加したところ 89%増加しました。商品輸出は20%増加し 428億米ドルだった、輸入が 37%増加して 666億米ドルでした。また、ソフトウェアの輸出や送金といった無形的なものは 26%増加して 228億米ドルとなりました。
4月の工業生産高成長率は 7%と3月の 3.9%からは上昇しましたが前年同時期の 11.3%から減速しました。米自動車大手、ゼネラル・モータースやフォード・モーター等の企業がインドでの生産能力を拡大した事から。ただし、インドや周辺地域では、インフレ加速や借り入れコストの上昇が、消費者や企業の支出を妨げるとみられており、今年の生産の伸びが鈍化する可能性があります。
4月の輸出額の成長率は、過去12ヶ月間で 31.5%、額にして 144億米ドル増加しました。これは 3月末の 26.6% を上回ります。他方、4月の輸入額の成長率は36.6%、243億米ドルでしたので、貿易赤字は過去最多の 98.7億米ドルとなりました。
インドの外貨準備金残高は 3125 億米ドルにまで積み上がりました。
インドの卸売物価指数 (WPI) は6月7日現在で 前年同期比 11.05%、14日現在でも 11.42%上昇しました。原油価格の高騰から小売りの燃料価格の引き上げを余儀なくされた事から、伸び率としては13年ぶりの高水準に加速しました。世界銀行の推定によると、インドでは人口11億人の約半数が一日あたり2米ドル未満での生活を強いられており、インフレ加速は購買力の低下につながっています。こうした状況がルピー安を加速させ、輸入物価の上昇や投資資金の国外逃避、国際収支の更なる悪化を招きました。インド証券取引委員会(SEBI)の統計によると、外国のファンドマネジャーは昨年、インド株・債券を195億米ドル買い越したものの、今年これまでは 53億米ドル売り越しています。
インド準備銀行は6月に政策金利である翌日物レポ金利を 2回引き上げ6年ぶりとなる 8.5%としました。また同時に預金準備率も 8.25%から 8.75%に引き上げました。この金利引き上げには強いルピーを求め、原油をはじめとする輸入コストの軽減によりインフレを抑制したいという意図があるものと見られています。
中国人民元は週次ベースで4週連続上昇し、また四半期ベースで 2.3%の上昇をみせて12四半期連続で対ドル高となりました。年初からの6ヶ月で 6.6%上昇し、昨年一年間で上昇した 6.86%にも到達する勢いです。一方、株式市場の指標となる CSI 300指数は世界的な景気減速とインフレ対策の為に利上げが行われるとの観測が広がったことから月次ベースで下落し、また今年前半でも 48%減少しました。
資本流入は年初4ヶ月で 3240億米ドルと前年同時期の2倍になっています。いわゆる「ホットマネー」がインフレ対策の中で注視されているものですが、他方で資本の出入りは今後自由になるものと見られております。2007年中は「ホットマネー」として5,000億米ドルが中国に流入したものと見られています。うち、貿易関連の投機的資金流入は2181億米ドル、また海外からの直接投資に伴うホットマネー流入は557億米ドル、中国系合弁企業による海外での借り入れ関連も 42億米ドル。
1-5月期の固定資産投資は前年同期比 25.6%の4兆300億元でした。また、5月の対中直接投資は前年同月比 37.9% の 78億ドルとさらに過剰流動性が一段と高まりました。
事業会社の収益は5月までの12ヶ月間で 20.9%、1600億米ドル相当増加しましたが、前年同時期で42.1%の増加と、半減しました。原材料価格や原油価格の上昇と人民元の上昇が製造輸出業者の収益を押し下げているものと考えられます。
外貨準備金残高は5月末時点で 1兆8000億米ドルに到達しました。対外純金融資産は 1兆 220億米ドルと2007年末の 67%増。
6月に精製業者の利益の改善の為にガソリンや軽油などの価格を上昇を許容したことで、消費者物価が 1%の上昇がおこるものと見られていますが、他方5月に消費者物価の上昇が緩やかになっていることを受けて、政府にとってエネルギー価格の上昇を導入しやすいタ
イミングでした。
5月の鉱工業生産成長率は、4月の 15.7%から更新して 16% でした。内需、外需ともに好調で世界的な景気減速のなか中国の景気が依然力強く拡大しているとする新たな兆候が示されました。5月は輸出が急増し、小売り売上高の伸び率が21.6%増と 9年ぶりの高水準を維持しました。四川大地震で四川省の生産環境は混乱していますが、鉱工業生産は拡大しています。1-3月期の国内総生産伸び率は 10.6%でした。
5月の輸出は前年同月比 28.1%増と市場の予想に反して伸びが加速しました。輸入も前年同月比40% 増とおよそ 4年ぶりの高い伸び率となりました。
2007年の経常黒字は前年比 49%増の 3,718億米ドル。
5月の消費者物価指数は前年同月比 7.7%上昇と、12年ぶりの高い伸びに接近した4月から減速しました。食品価格の高騰も年初の大吹雪の影響から生産者が回復したことから減速しました。
5月の生産者物価指数は (PPI) は前年同月比 8.2%の上昇と、政府の物価抑制努力にもかかわらず 4月の 8.1% 上昇から加速し、この3年余りで最も高い伸びとなりました。
5月の四川大地震により、今年の経済成長率が生産活動の途絶により 0.1%押し下げられる一方、その復興計画により0.4% 押し上げられるとの試算をしました。
中央銀行はインフレ抑制のために、銀行に対して準備残高比率を今年五回めとなる17.5% に引き上げました。
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