久しぶりのファンドネタで。。。

4/26/2009
(注) この記事は2006年9月14日の記事の再録です。

先に申し上げますが、久しぶりに
「このネタ書いてみませんか?」
というお誘いがあったので、書いてみます。

ラブホ・ファンド


ラブホ・ファンドという言葉を
聞いたことがありますでしょうか。
ラブホ、なら、という方が大半かもしれませんね。
それと「ファンド」という言葉、どう結びつくのでしょうか。。。

例えば、東京の都心に住んでいて、渋谷円山町とか、新宿歌舞伎町の裏にある
ラブホ街に足を運んだことのある人は数多いかと思います。
もしくは、郊外で高速の出口に密集する遊園地と見間違えそうなラブホ群。
そのときのことをちょっと思い出してください。
特に金曜の晩はどこも満室で困った(?)思いをしたことのある人は
あると思います。

または、昼間のラブホに来たことはありますか?
案外空室が少ないことをご存知ですか?
鴬谷や大塚あたりだと男性一人が部屋に入っていく風景や、
ラブホ街を女性一人で歩いていて、ふっと姿が消えるシーンが案外多いことを。

さて、これをあなたがホテルの経営者の立場でみるとどうなるでしょう。
少なくとも、一つの部屋で、昼に一組(?)、夜に一組の二組が使ってくれている
という計算になります。(ざっくり言えば、回転率が2回転、ということですね。)
さらに、これが昼間に3時間に一組で複数組が使ってくれるとなれば、この回転率は
3や4、私の知る限り、5とか6というホテルがあるそうです。

これが、例えばヒルトンでもフォーシーズンでも、帝国ホテルでも
どこでもいいのですが、いわゆる普通のホテルをイメージしてみましょう。
だいたいゴージャスさに見合った宿泊単価とはいえ、昼間の部屋はほとんど誰も使っていない、
ということでしょうし、夜満室になりきれるでしょうか。いわんや、ビジネスホテルや
リゾートホテルになれば、季節的要因などもあって、空室率をどれだけ低くするか、
上記の言葉を借りるならば、回転率をいかに1に近づけて有効利用しようと努力しているのです。

しかも、実はラブホの値段表を改めて見ると、特に宿泊だと思っているほどは安くはないのです。


ということを総じて見ると、案外ラブホってキャッシュフローの入りに高いビジネスじゃないの?
というように見えてきます。で、以前の記事でも書いた通り、WBS (Whole Business Securitisation)の
世界では、将来の商売で得るだろうキャッシュフローを担保に資金を借りる、というものですので
毎日キャッシュフローを生み出すことのできる、このラブホというのはWBS だけでなく
投資全般という見方からもいい商売だということがわかります。

でも、じゃあ、ラブホのオーナーをしていれば常にキャッシュフローを生み出すのだから
順風満帆で、そんな WBS とかしなくても楽ちんに生活できるんじゃないの?

と思いがちですが、世の中にはそうではないから、ファンドに束ねたり WBS にしたり
するのです。なぜでしょう。


例えばディズニーランド。
好きな人は年に何度も行きます。あのアトラクションにまだ乗ってない!
これまだ見逃してる!などなどの目的を何度も行くことで達成して、いつしか
一通り満足するまで堪能してしまいました、となったら、あんなに好きだった
ディズニーランドに足が向くでしょうか。そこで、ディズニーランドでは
アトラクションを常に少しずつ入れ替えて、常に前に来たときと違う!という
状態を作り続けることで夢の王国を保っている訳です。

で、ラブホ。
まさに同じことが言えるらしく、常に夢のひとときを演出すべく
各部屋カラオケや TVゲーム機、大型プラズマ TV や DVD、CS/BS 当たり前、
お風呂もジャグジーやカクテルライト、サウナ。
場合によっては、マニア向けSMチックな部屋の作りなどなど。。。

しかも、混んだ週末のラブホの待合室では、
「ここのお部屋ってどうですか?」
とか
「あそこのホテル、いいらしいよ」
なんて会話が繰り広げられているのは案外知られていない事実。

さらに、部屋の料金の出納設備も昔ながらの「何飲みましたかぁ」では駄目で
冷蔵庫などなどと部屋代などがリンクするような設備を入れていかないと人件費の
節約にもならないのです。
要は同業他社との競争のための設備投資に常に追われる宿命にもあるのです。



回転率を良くしながら、投資効率もあげねばならない。。。
となると、規模のメリットがあるとよりいいだろう、というのが
ゴールドマンサックスがゴルフ場を買いあさってファンド化して
経営を統合して効率化を図った例にもあるように、スケールメリットを
出すのが一つの方法、となる訳です。

そこで、ラブホファンド、ということになるんですね。
投資の対象としては、確かにエッジな商売ではあるものの、上記のことを考えると
普通のホテルに比べてメリットがあるわけですから投資対象としては
悪くない選択肢、と思えてきます。

しかも、ユーザーの心理を考えれば、好況不況に左右されないわけですので
株式投資などとの分散を図るという意味でも、面白いものではないでしょうか。

ま、最後の投資判断とその責任は読者の皆様にお任せしますが(笑)

0 件のコメント:

Copyrights Emichanproduction, 1996 - 2011. Powered by Blogger.