スワップポイントの魔性

4/26/2009
(注) この記事は 2006年6月21日の記事の再録です。

前回、外国為替証拠金取引における、トレードのための簡単な目安を
紹介しました。証拠金 10,000円でポジションを作ると 為替が 1銭動くと
10円損益が動く、なので、10,000円でがんばれるのは 10円やられるまで(笑)

ということでしたね。

さて、今回は、証拠金取引をすると初めて耳にする「スワップポイント」という
言葉があると思います。

簡単に言ってしまえば、ポジションを建てた瞬間から、毎日毎日少額ずつ
儲かったり損したりする、という仕組みです。

仕組みがわかれば何のことはない話ですからちょっとした例でご説明しましょう。

例えば、1ドル 115円のレートでドル買い円売りしたとします。
計算の面倒があるので、証拠金を 100,000円使った場合で考えますと、
このとき、ドルを買って円を売っているのですから、実は証拠金100,000円で
115万円を借りて、それを売って 10,000ドルを手にしている、というのは
最初の記事でご説明した通りです。

で、お金を借りているのですから、その日のうちに返せば利息を払う必要が
なさそうですが(銀行間取引だと半日分の利息を払ったりするのですが。。。)、
さすがに日が変わってしまうと一日分は払わないといけないような気がしませんか?
同様に、せっかく 10,000ドルもっているのですからこれに一日分の利子がついたら
うれしいですよね?

では、計算です。面倒なので日本円の金利は 0% にしましょう(笑)
で、ドルですが。。。 5% で計算すると、
10,000 x 5% / 365 で、およそ 1.36ドルの日割りの利息になります。
これを 115円とすると。。。157円。

ということで、借りる円には無利息、貸しているドルから 157円の
差し引き 157円が一日の収益になる、と言う訳です。

実際には利率(正確には二通貨間の金利差)や為替レートの変動
(とスプレッド)があることから、こんなに高くはないものの、
100,000円の証拠金に対して

ドル買い円売りであれば毎日 150円程度の利息がもらえ、
ドル売り円買いであれば毎日 150円程度の利息を払わねばならない

ことになるのです。

もし、身の丈モード(笑)にすると、 10,000円に対して 15円です。
すると、ここでいくつかのことに気づくことになります。

1. ドル買い円売りのポジションだと、放っておいても 15円稼げる
ということは。。。手数料とスプレッドで 240円が最初に負けていた
状態なのですが、16日がんばればこの分はスワップポイントで
チャラになる、言い換えると、一日 1.5銭ずつ取引の break-even ポイントが有利に
なる、ということです。

1'.でも、それってドル売り円買いの場合だと、逆に常に毎日 15円払わなければならない
から、毎日 1.5銭ずつ負けていくということになります。そうなると、為替も
日が経つごとに大きく動いてもらいたくなるのです。

2. もし、ドル買いのポジションで、為替が動かない場合を想像してみましょう。
一日で 15円、0.15% ですが、一年経つと 0.15% x 365 = 54.75% になります。

あれ?ドルの金利って 5% じゃなかった?

そうです。日付の誤差はあるものの、実は、10倍のレバレッジがここでも
効いてくるのです。「運良く」為替が動かなかった場合には、54%で回る
預金と同じなのです。当然元本のリスクはあるものの、そういう利率というのも
ありかもしれません。。。実際、ついこの間から大きく円高に振れてしまったおかげで
外貨買い持ちのポジションは放置してスワップポイントが日一日元本の毀損した
分を埋めてくれているのを見ています。ま、元本というか、日々の為替の変動での
証拠金の評価額の動き方はもっと大きいのですが。。。


ということで、額は小さく見えますが、スワップポイントは結構侮れないのです。。。

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