BRICs Watch - September 2006
(注) この記事は 2006年10月17日の記事の再録です。
今やらせていただいているお仕事のひとつに、
BRICs (Brazil, Russia, India and China) の通貨連動型利益参加型の
外国籍投資信託の月次レポートを書く、というものがあります。
その文章は投資信託を保有している投資家の方が目にするものですが、
こちらもで(こっそり)公開していろいろな意見を聞けたらなぁ、なんて
思いはじめました。
では、世界の新興市場の代表ともいえる4カ国の一ヶ月をざくっと
まとめたので、どうぞ!
9月のエマージング市場は、米国で景気の減速懸念から金利の引き上げから引き下げに方向を転じようとしていることから、引き続きBRICsをはじめとするエマージング市場への資金流入は継続しておりますが、影響は少なかったとはいえタイのクーデターによる資金回避などの地政学的リスクの存在を改めて確認する月ともなりました。
ブラジルレアルは7月から9月の経済成長が加速して、通年の成長率も4% に達する見通しが出てきていますが、一方、 通貨価値の上昇に伴う国内製品の相対的な競争力の低下から、インフレの低下とともに経済成長のかげりも懸念されています。また、10月1日の大統領選挙での、現職大統領の支持率の低下への懸念から対ドルで3ヶ月ぶりの安値をつけるなど、政治の不安定に対するリスクが顕在化した月でもありました。
ロシア・ルーブルは、輸出主導の経済成長を背景に対ドルで年初から7.5%上昇し、月初には昨年末以来の高値に達しました。また国債の需要増加に伴い年初来のリターンで欧州圏でトップとなる +4.8% を記録するなど好調を維持しております。輸出の61%を占める原油などエネルギー関連の価格の値下がりが起きているものの、政府の打ち出しているインフレ率9%の達成のためにエネルギー企業による価格の上限設定が既に行われるなど、その影響は限定的と見られております。
インド・ルピーは、主に石油の輸入精製業者からの思惑を含めた実需に支えられる形で4週続けて上昇しました。前四半期のGDPの前年同期比で8.9%増と予想を上回るペースであったことから、更なる企業収益拡大の期待感も高まったことで株式指数も6月中旬から40%上昇しました。この経済成長に対する期待感により、引き続き国外からの資金流入が続く一方、原油や金などの商品価格の下落にも関わらずこの急成長に伴うインフレ懸念、そしてそれによる更なる利上げも予想されており、債券市場もその方向感を打ち出しています。
中国人民元は、政府が懸念していた不動産投資の抑制が出来た一方、7カ国財務相・中央銀行総裁会議の声明でもその通貨としての柔軟性を求められ、また米国上院議員による対中制裁法案の動きに呼応する形でペッグ制廃止以来の最高値を記録する一方、中国人民銀行が行き過ぎた投機的な動きを牽制する形で人民元の下げを誘導する動きを見せました。
今やらせていただいているお仕事のひとつに、
BRICs (Brazil, Russia, India and China) の通貨連動型利益参加型の
外国籍投資信託の月次レポートを書く、というものがあります。
その文章は投資信託を保有している投資家の方が目にするものですが、
こちらもで(こっそり)公開していろいろな意見を聞けたらなぁ、なんて
思いはじめました。
では、世界の新興市場の代表ともいえる4カ国の一ヶ月をざくっと
まとめたので、どうぞ!
9月のエマージング市場は、米国で景気の減速懸念から金利の引き上げから引き下げに方向を転じようとしていることから、引き続きBRICsをはじめとするエマージング市場への資金流入は継続しておりますが、影響は少なかったとはいえタイのクーデターによる資金回避などの地政学的リスクの存在を改めて確認する月ともなりました。
ブラジルレアルは7月から9月の経済成長が加速して、通年の成長率も4% に達する見通しが出てきていますが、一方、 通貨価値の上昇に伴う国内製品の相対的な競争力の低下から、インフレの低下とともに経済成長のかげりも懸念されています。また、10月1日の大統領選挙での、現職大統領の支持率の低下への懸念から対ドルで3ヶ月ぶりの安値をつけるなど、政治の不安定に対するリスクが顕在化した月でもありました。
ロシア・ルーブルは、輸出主導の経済成長を背景に対ドルで年初から7.5%上昇し、月初には昨年末以来の高値に達しました。また国債の需要増加に伴い年初来のリターンで欧州圏でトップとなる +4.8% を記録するなど好調を維持しております。輸出の61%を占める原油などエネルギー関連の価格の値下がりが起きているものの、政府の打ち出しているインフレ率9%の達成のためにエネルギー企業による価格の上限設定が既に行われるなど、その影響は限定的と見られております。
インド・ルピーは、主に石油の輸入精製業者からの思惑を含めた実需に支えられる形で4週続けて上昇しました。前四半期のGDPの前年同期比で8.9%増と予想を上回るペースであったことから、更なる企業収益拡大の期待感も高まったことで株式指数も6月中旬から40%上昇しました。この経済成長に対する期待感により、引き続き国外からの資金流入が続く一方、原油や金などの商品価格の下落にも関わらずこの急成長に伴うインフレ懸念、そしてそれによる更なる利上げも予想されており、債券市場もその方向感を打ち出しています。
中国人民元は、政府が懸念していた不動産投資の抑制が出来た一方、7カ国財務相・中央銀行総裁会議の声明でもその通貨としての柔軟性を求められ、また米国上院議員による対中制裁法案の動きに呼応する形でペッグ制廃止以来の最高値を記録する一方、中国人民銀行が行き過ぎた投機的な動きを牽制する形で人民元の下げを誘導する動きを見せました。
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