The Abduction of the Art of Noise

4/25/2009
(注) この記事は 2006年3月10日の記事の再録です。

2000年前後の the Art of Noise の reunion が一息ついて
2004年に改めてトリビュート盤が企画されていました。
その名も


abduction というと、ケロロ軍曹を読んでいれば小学生も
覚えてしまう単語ですが、要は「誘拐」。宇宙人が地球に来て
人間の中身を調査して、誘拐したときの記憶を消して日常生活に
戻す。。。というあのアブダクション。
2004年のプレイヤーたちによる誘拐とこねくり回しはどうだったかというと。。。

amazon.co.jp でオリジナルとの乖離に酷評をしている人もいますが、
はっきり言ってしまえば、乖離して当然でしょう。たしかに AON が何でもない音を
現代音楽のアプローチで組み合わせて音楽に変え、最初に演奏して20年が
経ち、曲に対する解釈や演奏方法、技術の向上などがなかったら、
テクノを中心とした現在の音楽の発展はなかったということのなのですから
クラシックの演目が人によって異なるがごとく、それぞれの味付けで
演奏されることに問題はないのだと思います。

で、1990年代の三部作との比較をするならば、三部作はある意味
プレーヤーのカテゴリーを最初にかちっと決めてその中でにたような
ミックスなどを行ったこともあり、人によっては一枚のアルバムだけで食傷気味に
なりかねない部分があったのは確かでしょう。今回はいろいろな分野からの
参加者が、それぞれの持ち味と曲本来の特性をうまく引き合わせた、という意味で
しっかり聞き込める仕上がりになっていると思います。

個人的に、おすすめは、最初のトラックでのChi2 の Eye of the Noodle の
なんともすっとぼけた感じの曲調と、Michael Schiefel による Opus 4 の
完全やり直し、Eliot Levine による、アシッドっぽい Rapt: In the evening air、
Disko Gekko Project による Snapshot の、そう来たかぁ!というノリ、
Hexstatic の backbeat のチープな作り込み、J.J. のプロジェクト Art of Silence
による Beat Box から Velvet Chain の Beat Box につながる、実はとても
アコースティックな曲の作り、とまぁ、なんだよ、ほとんど全部じゃないか
といわれそうなくらい、結構気に入って聞き込んでしまっているのが実情だったりします。

0 件のコメント:

Copyrights Emichanproduction, 1996 - 2011. Powered by Blogger.