日本の失われた15年をまとめると。。。

4/25/2009
(注)この記事は2005年11月15日の記事の再録です。

以前、某大学で講義をするために、資料を買い込んだお話はした通りなのですが、
そのときに、改めて日本の失われた10年とか15年が、金融業界に大きく左右されて
来たのだなぁ、と実感した資料があるのでご紹介します。



この本の発行元の秀和システムさんって、昔はLinux とかコンピューター系の本で
がんばっていたところですが、最近ではこういう本も出すんですねぇ。。。時代の流れ
というか、多角化していかないと出版業界も大変、ということなのでしょうか。。。

私はずっと外資系の金融機関にいて、社会のメインストリームたる
部分に直接関与することが出来ずにいたので、新聞の記事などからの
知識を元に考えてみると、結局のところ、日本の社会基盤が銀行を核とした
企業グループで出来上がっていて、また、その原動力が土地を担保とした
信用力をベースとしてきたことで、土地の価格の凍結を端に発する
この一連の金融機関の破綻、一般企業の倒産などにつながっていったのでしょう。

その中で、銀行、特に今メガバンクと呼ばれる金融機関がその中で果たしてきた
役割、そして、そこからどうやって脱却しようとしているか、もしくは先祖がえりしようと
しているか、また、1997年に叫ばれて久しくなった金融の自由化の流れで
最初に手数料の自由化などの雨風にさらされた証券会社の今、
また、いまだ利権を守られているように映る各保険業界、
さらには、一番衆知の目にさらされて競争させられているにもかかわらず、
そのイメージに翻弄され、また翻弄している消費者カード・金融が、
良くも悪くも端的に描かれているのがこの本かと思います。

とはいえ、ある意味アウトサイダーに位置し、時としてハゲタカとか、売国奴などと
言われる外資系の金融機関も、これらの会社の破綻の時間稼ぎをしたり、もしくは
その時間稼ぎの結果本業で持ち直したりと、陰ながら社会を支えてきた部分もあるのですが、
そのあたりについてはまったく触れられていませんでした。
まぁ、それは影の話であって、別に語られるべき話かもしれませんね。

いずれにせよ、過去の15年の社会を結果として引っ張った金融業界を
ぱっと省みるにはいい本だったかな、という気がしております。

この記事を評価する

0 件のコメント:

Copyrights Emichanproduction, 1996 - 2011. Powered by Blogger.