BRICs Watch - October 2006

4/26/2009
(注) この記事は 2006年11月24日の記事の再録です。

毎月お送りする予定の、この BRICs の一月をまとめるレポート。
今月は気づいたらもうこんな月末になってしまいました。
仕事が遅いのはいつものことなのですが(苦笑)、今月はこのほかにも
運用しているファンドの年次報告書のための運用概況をまとめたりと
まぁどたばたしてて、遅れてしまいました。。。

ということで、どうぞ!


10月の BRICs 各国の動向は、原油価格などのエネルギー価格が下落し、また北朝鮮による核実験などの地政学的な問題も発生したものの、むしろファンダメンタルによる要因が市場の動向を支配していました。その一方で、世界的な資金供給過剰とファンドなどへの投資熱が加熱していることで、その影響が色濃く出た相場の展開が観測されました。

ブラジルレアルは、インフレが十分抑制されている中、景気減速が観測されつつあることから政策金利をさらに下げることで景気へのてこ入れが行われましたが、市場の一番の関心事は大統領選挙の行方と特に経済政策の継続性であったと言えます。インフレが最高で2003年5月に記録した 17.2% から今年の9月の年率で3.7% へと 1999年以来の最低水準に押さえることの出来た現職の大統領とその経済政策の継続への市場からの信任と今後への期待が市場を動かした形になりました。

ロシアルーブルは、国外輸出品の約6割を占める、原油価格をはじめとするエネルギー商品価格が夏以降下落し続けているという懸念材料が引き続きある中で、大型エネルギープロジェクトからの外資系企業排除の動きといった投資家への不安材料がある一方、年間インフレ率目標の達成の見通しが立ち、また外貨・金準備残高も順調に積み上がっていること、また国内での個人向け売り上げも予想以上の伸び率を示していることから、経済の安定が見込まれ引き続き対ドルで強い水準を保つ展開を見せました。その結果、輸入による製造業などへの影響を勘案してロシア中央銀行は23日に今年二回目となる基準貸出金利の引き下げを行いました。

インドルピーは、対ドルで年初以来で最高となる月間騰落率を見せた月となりました。30日に指標となるボンベイ株式取引所指数 Sensex が初めて 13,000を越えるなど株式市場が好調であることから、海外投資家による資金流入期待がルピー高を下支える形となっております。インド準備銀行は、国内での個人消費支出や融資が伸びてきていることや、経済成長率が過去最高を記録し、また年率で8% を越える年が2003年より続くなどの要因からインフレが高進していることを受けて国内金利を引き上げ、市場も全面的に小幅ではあるものの下落する反応を見せました。

中国元も、月間騰落率がプラスになる月が5ヶ月連続となりました。特に10月については過去数ヶ月に見られた米国からの外交的圧力よりも、むしろ中国人民銀行が貿易黒字拡大や、外貨準備高の増加に歯止めを掛けるために現在の人民元相場の上昇を容認する方向にあるとの市場の一致した見方があります。また、中国最大の銀行である中国工商銀行の新規株式公開(IPO)への申し込みが 5,000億ドル (約 58兆 7750億円)を越え、上海総合指数が5年ぶりの最高値を記録し、同様に深圳総合指数も順調に上昇していること、また、銀行間取引レート金利の3ヶ月来の最高値を記録するなど引き続き海外投資家の資金を国内に呼び込む要因があるものと見られています。

0 件のコメント:

Copyrights Emichanproduction, 1996 - 2011. Powered by Blogger.