ところ変わると見えるものも変わって見える!?

4/26/2009
(注) この記事は 2008年2月14日(イギリス時間)の記事の再録です。

まだジャージー島におります。
しかも、まだこちらは Valentine Day の夜でして(現地時間の夜8時を回ったところ)
ディナーの約束もなければ、一人で飲んでたホテルのバーには
老いも若きもカップルでいる輩の多いこと。。。

こちとら単身で来てるんだぃ!

と言ったところで何の解決にもならないのは知っておりますが、
さすがに一人でアウェーにいる気分です。

と、書き始めたら眠くなりひと寝したら朝の4時。。。orz


とはいえ、そんな日になかなか面白いことが見えたのでちょっと
お話ししたいと思います。

こちらでは会社の秘書役、といっても社長の鞄持ち、という訳でなく
取締役会の書記や書類管理などと言った会社の運営に関する業務の
資格があって、The Institution of Chartered Secretaries and Administrators
という協会まであるのです。私の会社の基幹業務の一つは
海外のファンドスキームの会社形態、信託形態を問わずそれらの
器の管理ですので、こういった会社などの管理・運営の方法については
とても気を使っている、という訳で、そういう資格者が
ここジャージーの本社にはたくさんいるのです。


さて、その会の運営の一環にセミナーがあって
たまたま私も聴講することになったのです。
その内容とは。。。「コーポレートガバナンス、特にその日本の事例」
って、日本人の私がなぜ、ジャージー島に来てまで?!(笑)

さて、このところの Societe Generale でのトレーダーによる
損失隠しの発覚、のような、内部統制の不備という問題に注目が集まる中で


過去、200年続いた東インド会社における190年間に渡る会計の不正に始まり、
# これもすごい話ですが。。。
昨今見られたベアリング、エンロン、ワールドコムなどなどの事例をざっと見回して、
# どれもこれも巨額ですが。。。

ではイギリスではどんな企業統治が行われたか、といいますと
principle、要は行動指針を見直してその是正に勉めたそうです。
それに対してアメリカでは、というと、rule、要はSOX 法を定めて罰則規定を
置き、是正を求めていきましたが、前者は自国の方策ですので
当然のこと世界で最も進んだ企業統治の環境と謳うのでさておき(笑)、
後者は、といいますと、株式市場から撤退を余儀なくされる訳ですし
ペナルティの問題が発生することから、国外にすら逃げてしまうという
ことを引き起こしている、ということらしいのです。

で、ほかの国ではどうなの、と言ったとき、不思議の国、日本がどうしても
目にいくそうなのです。今では Bill Gates が何年も君臨する世界一の金持ちの
ポジションにかつていた西武の堤氏と、その取締役の保有株式の問題や
欧米的なアプローチで急速に成長したライブドアの堀江氏とその事例をを
見て、日本が取った、Japan is differentな統治方法とは。。。

JSOX

で、この JSOX ってFinancial Instruments and Exchange Lawなんだよ、
要は株式市場の参加者に対してその開示資料の中に内部統制に関する開示を
求めることで、上場企業に対して企業統治を求めてる、というのが日本の
アプローチなんですよ

と、言われたとき、最初、え?と思ったのです。
ファンドなどのストラクチャリングを生業とする私に取って
金融商品取引法とは、金融商品と金融機関の再定義とその
法的枠組みの再構築、という見方でしかなかった訳ですが、
確かにその一部で影響のある開示資料の側面もファンドのビジネスを
する上では一つのハードルになるわけではあるものの、
実体を持ち経済活動を行う企業にとってその開示資料の拡大
というかたちでの企業統治の是正
という側面があるとは

まったく

気にもしていませんでした(笑)
単に無知、という話で終わり得るのですが、よく考えてみると、
上場企業に勤める人たちにとっては、こちらの側面の方が大写しになっていて
かつ、内部統制に関する資料の作成だけでも大仕事ですので、
金融商品の構築の側にたった法改正というのは見えづらいんだろうなぁ、
言い換えれば今回の金融商品取引法の範囲はあまりに広大すぎて
全容をきっちり理解するのはかなり大変だということを再認識しました。

その一方で、あれ?上場企業でなければ金融商品取引法の枠に
引っかからないから、内部統制の議論は気にしなくてもいいの?
非上場企業だって貸し出しを受けたりするんだから、
会社の stakeholder にとって内部統制の必要性は上場・非上場は
関係ないんじゃないかな、と思ったりしました。


しかし、ここまで来て、また金融商品取引法のことを考え直すことになるとは。。。
とはいえ、なかなか面白い話ではありました。

0 件のコメント:

Copyrights Emichanproduction, 1996 - 2011. Powered by Blogger.