ヘッジファンドのすべて—世界のマネーを動かすノウハウ

4/24/2009
(注)この記事は 2005年9月25日の記事の再録です。





ヘッジファンド関連の和書の紹介もこれで3冊目ですが、
そもそも、ヘッジファンドってなんでしょう?

定義に戻るならば、(少人数)私募の投資形態、というものすごく
曖昧なものになってしまうのが、現在の「ヘッジファンド」を表すのだと思います。

というのも、本書のなかでも書いているように、
確かに投資戦略の観点で見れば大区分で 11に分ける事が
可能ではあるものの、結局のところ、いずれも戦略の基本が
価格の歪みに着目して、「その戦略の観点からみると」それが
歪んだ価格であるが故に歪みの戻る方向にベットすることで
その歪み分だけ(当然の事ながらリスクフリーで)収益をあげる、
ということの繰り返しであることにはどの戦略をもっても変わらないわけです。

ただ、これら紹介されている11の戦略を取るには、日本で言う投資信託法などの
投資家を守るとされる規制のかからない手法、空売りであり、デリバティブであり、
を使えるようにするために、これらに理解を示し、万が一の損失に対しても
耐性を保持することの出来る少人数の投資家に限って提供するという、
対するの私募の形態を取らざるを得ない、という
歴史的背景ゆえ、ヘッジファンドがかかる定義のもと、「ヘッジ」ファンドたる
ゆえんでもあると考えます。

さて、そんな戦略の詳細や、このヘッジファンド業界の過去のトラックレコードなどを
一目で見ようと言う人には、データ満載で整理されている本書はおすすめです。
とはいえ、本である以上、最新の投資手法やスキームに関する追随という観点では
どうしても遅れがちである事は否めませんが、それはそれ、基本的アプローチを
学ばれたいという事であれば十分入門書としての役割を果たすと思います。

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