preception / 思い込み?先入観?偏見?

いまニューヨーク JFK 空港の American Airline のラウンジにいます。
さすが米系のラウンジだけあって、complementary なものはコーヒーと水、ジュース、ベーグルにちょっとしたスナックとリンゴだけで他はWiFIも含めて有料、というケチケチなので、日曜の早朝(午前6時)で仕事のメールもないし、offline で久しぶりにじっくり物書きにふけってみました。

本当は、初めて来たニューヨークの雑感でも書けばいいのでしょうけど、実際に滞在したは。。。5時間程度で、あとは今朝8時のロンドンへのフライトの為に、と投宿したJFKのそばのエアポートホテルにいたので言うほどのことは書ける訳もなく、もし書くとしたら

ニューヨークに来て、マンハッタンを楽しむならば間違ってもエアポートホテルを足がかりにしてはいけない

ニューヨークの交通機関は信用できない。その結果は、なんだよ、成田といい勝負じゃないか(苦笑)

でしょうか。本当に、それだけが今回のミスですし、このミスでどれだけの時間をどぶに捨てたか。。。

それはさておき、書くつもりで書かずにいたネタをやっと書けます(苦笑)
なにかというと。。。先月(!)に滞在した香港での雑感なのですが一つのキーワードをベースにちょっと興味深い事がいくつかあったので書いてみようかと構想していた事があるのでそれについてちょっと書かせて頂きます。

まずは、中国株。
とあるお客様から一つ香港に行ったら聞いて欲しいといわれたことがありました。

「日本では、中国株といえばA株、というのが最近の流れになっているものの、実際香港ではどうなのか。」

事実、昨年から今年に掛けて、中国株のA株ファンドがあちこちで立ち上がっているのが目にしますし、個人でも直接A株の取引も出来る証券会社さんが増えてきました。気持ちとしては、mainland China の国内の投資家だけがアクセス出来た、mainland China の企業の上場市場は、同じ会社の香港に上場している H株よりも本物だ、というところでしょうか。
要は H 株はぱちもんでやっと本物で勝負できるようになった、でしょうか(苦笑)


そんなあたりどうなのか、香港ベースの中国株マネジャーたちに聞いてみました。
曰く
「まぁ、マーケティング的にはそういう風潮はあるよねぇ。でもさ、同じ会社の発行株を比較すると、A株は国内の投資家、多くは個人投資家の売買で成立する市場ってことは、オープンで海外投資家も多く参加しているH株に比べると割高に評価される傾向が高いんだよね。実際、僕らのポートでも、100銘柄以上組み込んでるけど、H株の方が割安に評価されてるからどっちが買いかといえばもちろん H株ってなるよね。2銘柄だけかな、逆転してるのは。」
会社の人気投票の意味合いで見れば、より多くの市場参加者がいる方が確かにコンセンサスの収まるところはそうなるのは当然か。

「それに、A株は政治的影響を受けやすいのも一つあげられるよね。あと、個人投資家の多さは自然とボラティリティが高まるのでポートフォリオマネジメントの観点でもどうかな、という見方もあるよね。」
似たような市場でベトナムの株式市場も投資家のほとんど(と取引のほとんど)が個人で構成されている市場なので、そのボラティリティの高さたるや。。。

まぁ、こういう市場に対する先入観のおかげで効率的な投資を行える人たちも出てくる、というのが事実なんだなぁ、と思ったり。投資する市場はやはりムードで流されずに注意深く調べるべき、というのを改めて思うところでしょうか。



さて、その「思い込み」というか「偏見」が際立ったのが。。。
なんと、最近ケイマン諸島籍のファンドに日本ベースのファンドアドミニストレーション会社が任命される案件が出てきた、という話を聞いたのです。その案件は、既存の案件でトラスティとそことセットで任命されるアドミ会社を新しいトラスティと、スポンサーの系列と思われる国内のファンドアドミニストレーション会社に入れ替える、というものらしいのですが、それが出来るという事は新設のファンドでも最初から日本ベースの会社が任命される事が出来るという意味でもあるのです。外国籍のファンドが外国籍であるために、ということで、ファンドの基本的な部分のすべてのパーツを海外におくべき、という思い込みをまんまとひっくり返されたのです。とはいえ、permanent entity の問題(結果としてリターンに対するキャピタルゲイン課税の問題)がどこかで起きるような気がするんですけどねぇ。。。

で、コレの意味するところは、といえば、商品を買う側には直接影響がないものの、まず、商品を提供する証券会社さんや銀行さんが商品の売買を依頼する相手が国内になるので
「日本語が通じる」
「日本時間で対応が期待できる」
というメリットが出てくるのです。言い換えると、今までの商品は、14時間の時差のあるケイマン諸島の会社や、ヨーロッパの会社、もしくは私の会社でやるような香港の会社との対応になるので
「英語でしなければならない」
「日本の営業時間で解決できない可能性がある」
という、(日本人らしい)精神的なハードルが生まれてしまうのです。
私の会社では私等が間に入ってなんとかするのですが、それでも時間の問題は難しいときがあるのですが。。。

で、これの間接的な影響は、というと、このおかげでファンドの商品性はそうなると国内投信のそれとほとんど同じになってしまいます。となると、国内投信と同じなんだから国内投信と同じ報酬体系を期待される可能性が近い将来起きる、ということです。報酬体系については以前書いた通りで、日本特有のものになっている事から。。。。

投資家の皆さんにとっては朗報かもしれませんが、中々頭の痛い話なのです(苦笑)
そんな話を明日以降本社とするのかと思うと。。。sigh

それより、アイスランドの噴火の影響が出てきたので、ちゃんとロンドンにつけるのだろうか。。。

2 件のコメント:

ochiai さんのコメント...

税金の問題って、この先のグローバル化の一番の問題になりそうな気がするんだけど。

また噴火の影響が出てるみたいですが、
お気を付けを。。。

Shinobu さんのコメント...

どもども、ただいまUK Timezone で時差ぼけと苦しんでおります。こんなに長引いたことはなかったのに。。。やっぱりアラフォーはだめ?(苦笑)

さて、税金の問題は本当は大きいですよ。
世界的に法人税を下げて企業誘致を行って雇用を確保し、行政サービスの負担を等しくする為に住民税の引き下げと消費税の導入が世界的な流れにあるので(日本は、基本的は企業に対する課税を高めにして個人への税負担を減らそうとするという逆行してますが、既存業種への種々の減免措置があるので新興企業と高所得個人が懲罰的な課税をされるというこれまた不思議な状態になっております:-p が、それでも前述の世界的な流れに乗って)、二重課税でない限りは課税できるものには出来るだけ課税する、という税収入元の取り合いをすることになるのです。

ということで、permanent entity の問題は実はすごく気になるんですよねぇ。もし海外籍ファンドなのにPEが日本になると、日本特有:-pのキャピタルゲイン課税がかかるので海外籍にするメリットが一つなくなる訳です。

まぁ、私のファンドではないからそのリスクは気にしない、といえばしないものの、そうではない、となると、ビジネスに面倒が起きる訳で。。。

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