BRICs Watch -June 2007

4/26/2009
(注) この記事は 2007年 7月29日の記事の再録です。

さて、毎度遅れ気味のこのレポート(苦笑)
やっと、月末前日の今日、しかも隅田川の花火大会の後に
書き上げましたが、まぁ、今月はなかなかつらいものがありましたよ。

というのも、今月の前半に

ロンドン -> 英領ジャージー島 -> バミューダ -> シカゴ

北回帰線より上をぐるっと地球一周する出張を
8泊10日
で、行ってきたのです。

ええ、バカンスでなんて行けませんよ、行きたいけど(苦笑)
おかげで時差ぼけ云々でなく普通に現地時間で働き、現地の夜に東京時間で働き、と
せっかく一泊結構するいいホテルの部屋をオフィス代わりに
ゆっくり寝ることもなく働いて
おりました (TT)

そのおかげでレポート書きも後回しです。。。


そうそう、今度新興国為替リンクのファンドを立ち上げることになりました。
で、今戦々恐々としているのは、その為替リンクというのが
15カ国
なのですが、そのレポートがこちらに廻ってこないことを祈っております(苦笑)


ということで、来るかどうかわからないものにビビる間もなく、BRICs のレポートです。

いまだ管理制度下にある、としか思えない中国元と原油の輸出のイケイケでなんの変化もなく
面白くないロシア・ルーブルはさておいて、インド・ルピーとブラジル・レアルは
アメリカ国内の都合にまんまと振り回される結果となってしまいました。
所詮投資家からすると、新興国の証券や通貨はただのハイイールド商品の一つに
過ぎないのでリスク・リターンがいいかどうか、でしか見られていない、という
ことなのがよく見える構図になってきたように感があります。
そうですよねぇ。サブプライム・ローンって所詮は消費者金融なのですから
アメリカのそんな会社と新興国のクレジットが同程度だから同列に語られている、
ということなんですよねぇ。。。理にかなっているといえばそうなのですが。。。

6月の新興市場は、全般的には商品市場などの好調などのファンダメンタルズが大勢を支配するものの、インフレ抑制のため世界的に利上げ傾向に向かう中、安全資産の代表である米国債との金利差の動向や米国のサブプライム・ローン問題に代表される投資家の「質への逃避」行動と動向に為替相場も影響を受けることになり,BRICs 各国の対ドルレートもその影響を多少なり受ける展開を見せました。

ブラジルレアルは、8年ぶりの低水準にあるインフレ率を考慮に入れて6日に中央銀行が政策金利を今年最大の引き下げ幅である 0.5 % 引き下げて 12% にし、さらに8日に世界的なインフレ抑制のための利上げ傾向の観測を手がかりに前半から中旬に掛けて売られる展開になり、20日には4ヶ月ぶりとなる前日比1.3%の下落を見せました。しかしながら依然として貿易収支は好調であり、また安定した経済成長を見せていることから、米国債の利回り低下による金利差の拡大からの妙味も手伝って反転しております。

ロシアルーブルは、株式投資目的を主とした資金の流入が安定していることからこの一年の予想資金流入量を年初の400億ドルから700億ドルに変更がなされ、また、一旦は2月23日以来の減少が見られたものの、引き続き安定した外貨・金準備残高の積み上がりをみせ、6月末時点で 4066億ドルを計上するなど、対ドル高のトレンドを維持しております。この記録的な資金流入が消費者物価を押しあげ、過去4ヶ月間でもっとも高いインフレ率となる年率 7.8%を記録することになりました。

インドルピーは、世界で2番目の経済成長の伸び率を見せて1兆ドルもの資金が株式市場に流れ込んだことやインド企業の海外での資金調達のための証券発行の増加を受けて、この四半期で1973年以来となる6.8% の上昇を見せました。経常収支もソフトウェアの輸出の増加と原油の輸入量の鈍化から今年初めての黒字を計上し、外貨準備残高も2125億ドルにまで積み上がりました。また、食品価格の下落に伴ってインフレの減速も観測されており、インフレ率も13ヶ月ぶりの 4.03% の水準にまで下がっております。

中国元は、この4-6月期の上昇は2005年7月にペッグ制度を廃止後では四半期ベースで最大の対ドルでの上昇となりましたが、過熱気味の景気を抑制したりや貿易黒字の縮小を目指しての緩和容認との見方が広がっているためと考えられております。その一方で過熱気味の株式市場や不動産市場の一因と目されている海外向けローンへの調査と制限を始めるとの発表があるものの、中国の世帯に最も支持されている投資先として銀行預金を抜いて株式や投資信託が浮上していることから更なる警戒と引き締めがあるものと見られております。

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