BRICs Watch -January 2008

4/26/2009
(注) この記事は 2008年2月11日の記事の再録です。

Kung Hei Fat Choy!

というと、広東語であけましておめでとう、のようですが、
ちょうど今週末は春節ということで旧正月で日本にも
中華圏からたくさんの方が旅行にいらしてましたね。
年々増えているように思いますし、たくさんのものを買っていかれる
ようすなので(うちのお店ではあまり買われない、のですが。。。)、
Chinese Invasion か?とも思ってしまいます。

と、書いている私は今ロンドンに出張にきています。
昨日の10日に出発して、今ホテルで眠れずにこのネタを書き始めているのですが(苦笑)
飛行機の中で、毎度毎度のひと月分の資料に目を通していましたが
だんだん新興国としての経済成長のペースに一段落して、先進国に仲間入り
できるか、それとも(台湾や韓国のように)再度チャレンジせねばならない
ところにまで転落するのか、そんな危うさを感じたりしていますが
その一方、世界経済への影響度の大きさの議論は、振り回す経済活動の
大きさが大きくなれば大きくなるほど、という前提がある一方で、21世紀的な
情報伝達の速さが支えているものでもあるのかな、とも思ったりします。

いずれにせよ、世界経済の減速感が観測されつつある中で
今後に大きく影響する一端が BRICs 各国でもあるように思います。

ということで、2008年1月のレポートをどうぞ!


1月の新興市場は、この月通じての全世界的な株式の下落が投資家によるリスク資産から「質への逃避」に向かわせる一方でファンダメンタルによる継続的な投資が続くという、思惑の交錯する展開になりました。インフレへの各国の対応も更なる打開策を求めるべく次のステージに移りつつあります。


ブラジルレアルは、21日には中国の経済成長の減速予想を受けて5ヶ月ぶりの大幅下落となる2.8%の下落となりましたが翌日の米国の金利引き下げを受けて 2.1%上昇し、また、月末の世界株式の下落に対する米国の金利引き下げに伴い、相対的な金利スプレッドの拡大が発生して資金流入がさらに進み対ドル高になりました。一方、中央銀行は23日の定例会合で、インフレの懸念があることから金利を11.25% に据え置くことを決定しました。今回の据え置きは3回連続です。

消費者物価指数の一つである、IGP-Mが、前月の 1.79%から1.09%に下落しました。1%を超えたのはこの4ヶ月連続でインフレの休息感がみられていますが、それまでの 3年間の間 1%を超えていませんでした。エコノミストによるインフレの指標となる IPCA-15 消費者物価指数の予想も、食料品価格の上昇を受けて4.45%に上昇しています。

2007年のGDPに対する財政赤字の割合が2.27%と 1991年来の低水準に改善されました。背景は予想以上の経済成長による税収の増加によるものでした。また、海外からの直接投資は 2001年以来過去3番目に多かった 45億米ドルでした。



ロシアルーブルは、金・外貨準備高は月末に 4,794億米ドルに達し、引き続き世界第三番目の準備残高を保持しております。中央銀行は現在この外貨預金準備をつかって為替レートの調整と、インフレ率のコントロールをしていますが、向こう数年のうちにこの市場介入を終了させる方向にあるとのことです。なお、この外貨準備残高を使いSWF (Sovereign Welfare Fund)と呼ばれる政府系ファンドの運用を行っておりますが、運用開始以来 10%以上の収益を計上しているとのことです。

12月までの2007年の1年で生産者価格は年率 25.1%で上昇しました。工業生産成長率も ガスタービンやトラックなどの工業製品の伸びから12月のひと月で 6.5%の上昇し、消費者物価指数も 2.3-2.4% に上昇が予想されています。2007年の原油生産量は、過去7年で2.1%と最低の伸び率であった2006年から回復して 2.4%に上昇しております。

2007年の純資産流入額は2006年は 420億米ドルに比べてほぼ 2倍近い 823億米ドルでした。


インドルピーは、月の前半には株式市場の市場最高値に牽引される形で為替も 10年来の通貨高となりましたが、18日に株式が20ヶ月ぶりの大幅下落を起こしたことで為替相場も三週間分の上昇を帳消しとなりました。その後、米国による 9日間で2度の利下げにより高利回りな資産への資金流入が起こり、また輸出業者による実需からのドル売りから月末に上昇し、結果として月次でも 0.2%の上昇となりました。

2007年の経済成長率は 9.6% と1989年以来の高水準で、国内の平均年収の増加も 14.8% とアジア環太平洋地域で二番目の伸びを示しました。その一方でインフレは 5ヶ月ぶりの高水準になりつつあります。19日の週の卸売価格が 3.93%と、その前の週の3.83%を上回りました。原油と食品の価格上昇が主因とみられています。また、このインフレ懸念と世界的な経済成長の減速に対する様子見の立場から、過去6年で最高水準にある指標金利の据え置いています。一方、過去8ヶ月のインフレ率は石油製品の消費者価格に対する上限設定が奏功し政府目標を下回りました。

2007年12月の輸出の伸び率が 6ヶ月ぶりに減速しました。通貨高による相対的な価格競争力の低下によるものとみられております。また、工業生産の伸び率も13ヶ月ぶりの低水準になっております。


中国元は,月間上昇率がドルペッグ制廃止後最高を更新しました。50年ぶりの大雪の影響で、野菜が一週間で12.6%上昇するなど食品価格が上昇し、インフレを加速させているため、輸入価格の低下を誘導しインフレを抑制するために容認との見方が市場に流れております。

株式市場は6ヶ月ぶりの安値圏にはいり、大雪による供給の逼迫と物流の混乱への懸念から、過去二番目に大きな株式指数の下落率を記録しました。この結果、株式市場の時価総額 が 3.91兆米ドルと東京の 4.23兆米ドルを下回ることになりました。

GDP成長率は2007年第4四半期で11.2%と世界経済を引き続き牽引しております。インフレ率は12月で 6.5%と11年ぶりの高水準となった11月の6.7%を下回るものの、依然政府目標の2倍の水準にとどまっております。都市部の固定資産投資は 2007年で 前年比25.8%増と2006年の24.5%を上回りました。。

2007年の海外からの直接投資額は前年比13.6%の 748億米ドルとなりました。

15日にインフレ抑制のために、2007年1月から11回目となる、銀行による預金準備率を 15%に引き上げました。また、インフレ期待の抑制と社会的緊張の緩和を目指すために、食料品の一部とLPG(液化ガス) の値上げ制限措置を導入しました。

2007年の12月の貿易黒字は227億米ドルと11月の262億米ドルからの縮小しました。今回で二ヶ月連続の縮小となり、二年で最も遅いペースとなりました。輸出の伸びに鈍化が背景にありますが、成長ペースにピークを迎えたとの見方も出てきております。

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