BRICs Watch -December 2007

4/26/2009
(注) この記事は 2008年1月29日の記事の再録です。

遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。

しかし、かなり私事になりますが(blog だから当然か)、年末年始となると
決まって(いや、ほぼ毎週なのですが。。。)浅草は二天門の菊屋の店で仕事を
しているのですが、昨年の9月から二天門の屋根瓦が落ちたことでその修復工事が
2年間の予定で進められて、しかも、重要文化財ということもあって門全体を
大きな足場でかこってしまっていることから、本堂から見ると巨大な工事現場があるように
見えることから人の流れが来なくなり、二天門や団体旅行用のバス停から見ると
浅草寺が隠れてしまって、

「浅草寺が無くなった!」


と勘違いされる方も多かったのです。
おかげでうち的には営業に打撃はある一方、店番しつつ内職することができるので
ある意味いいと言えばいいのですが、どうしてもこのレポートが遅れ気味に。。。


ちなみに、とあるロンドン証券取引所に上場中のベトナムに投資するファンドの
月次レポートの翻訳なんてのも先月から始めました。>読みたい方はご連絡くださいね。
おかげで手が回ってないのですが。。。

さて、一年の総括をするのにちょうどいい時期になりました。
2007年はよくも悪くもリスクアセットに大きな注目の集まる年となりました。
そのおかげで BRICs のような進んでいる新興国にとっては、政策面でも
新しい局面に入りつつある訳ですが、2008年はどうなるのでしょう。
実際、ロシアや中国辺りでは経済成長率の鈍化が既に予想されていますが。。。

12月の新興市場は、サブプライム問題の余波が多少残るものの、リスク資産としての対比以上に魅力的な各国の経済成長を目しての資金流入過多の傾向はとどまらず、全般的に対ドル高基調の展開を見せました。その一方で各国でのインフレ対策となる政策が為替相場に対しても大きな影響を与えることになりました。

ブラジルレアルは、2007年の一年間に対ドルでおよそ 20%の上昇を見せました。インフレ懸念から、10月以来指標貸し出し利率を 11.25% に据え置いている一方、11月までのインフレ率がこの一年半で最も高い年率 4.19% ではありましたが、この金利差である実質金利が新興国でもっとも高いことから海外からキャリートレードをはじめとした投資資金の流入が続いております。インフレの指標となる IPG-M指数は 12月に月率 1.76% と上昇傾向にありますが、格付け会社によるソブリン格付けも引き続き投資適格の一つ下にあるものの前向きな見通しを材料に買われる展開も見られました。

ロシアルーブルは、年初来 およそ 8% の上昇を見せました。ドル相場の下落が続くことからエネルギー輸出企業から国民までドル離れが見られています。2007年中の資本移動も900億米ドルの流入過多となりましたが、年初10ヶ月間での貿易黒字幅が前年同期比 13%の減少となりました。前年同期比で輸出が 13%増加した一方で機械製品が輸入全体の56% を占める中で自動車の輸入が 56% 増加したことが要因と見られています。経済成長率が第三四半期には 7.6$ でしたが インフレ率も11月に年率目標であった8.5% を大幅に越えた 11.5% と 2005年 10月以来の高い水準になり、鉱工業生産成長率が予想外に減速しました。

インドルピーは、市場の指標となるSensex が2007年で 46% 上昇するなど好調な株式市場での海外ファンドによる購入を背景に、34年ぶりとなる 年率 12.3%の上昇を見せました。海外投資家による2007年を通じての株の持ち高は2006年の倍以上となる 169億米ドルの純増となりました。インフレ率も卸売価格が 12月15日までの一年の年率で 3.45%と減速傾向にありますが、消費者向け石油製品価格に上限を定めたことが功奏しているようです。その一方、所得増が個人消費を促進したことを背景に10月の鉱工業生産指数は前年比 11.8% と 過去 7ヶ月で最高の伸び率を記録しております。

中国元は,2007年の一年間に対ドルで約 7% 高と、年間上昇率は 2006年の 2倍になりました。27日にはペッグ制廃止後最大の一日の上げ幅となる 0.43%を記録し、当局が経済成長とインフレの抑制を図り、元上昇加速の容認を示唆し始めているとの観測が見られております。経済成長率も第三四半期には前年同時期比で 11.5% 上昇し、11月に固定資産投資が前年同期比で 26.8%増と投資の伸びは鈍化したものの、消費者物価が食品と燃料の価格が牽引したことで 6.9%上昇し、主な株式指数も2007年に2倍以上となったことで、インフレ懸念から21日に今年6回目となる利上げを実施しました。

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