国内非居住者が証券会社に証券口座を開けるのか?

4/26/2009
(注) この記事は 2006年10月18日の記事の再録です。

最近、とある SNS に参加しているのですが、
そこで知り合った海外在住の人から、次のような
興味深い質問を受けました。

「今日本に住んでいないけど銀行口座のある日本人が
日本で証券取引をするために証券口座をあけることが出来るか?」

ちなみに、ご存知の通り、私自身は逆サイドで似たようなことは結構やりました。
たとえば、NY の Citibank に銀行口座を証券口座を開設する、
とか、香港の Citibank に銀行口座をあける、などなど。
要は、その国で本人確認などに何を求められるかを知れば
なんとかなる、可能性がある、というわけです。

さて、本題。
まず、google で「証券口座 非居住者」というキーワードで
検索してみましょう。いろいろな個人向けのネット証券会社が
引っかかりますが、大抵の場合
「非居住者では口座開設できません。」
「非居住者になったら口座を閉鎖します。」
という答えで検索に引っかかります。
ぱっと見ただけでは一箇所だけ、非居住者になった場合には
取引に制限をかけた上で代理人をおけば口座を維持してくれる
というところがありました。

この結果だけを見ると、「開けられない」という答えに
なるのですが、それでは記事としても「駄目じゃん」という
ことなので(笑)、まずその背景と対策を検討することに
しましょう。

# なお、ここから先は日本の法律の脱法行為と
# みなされる可能性があるので、
# 「よいこのみんなはまねしないでね」
# 
# じゃなくって。。。
# 行う際にはそのリスクとリターンを勘案して、ご自分の
# 責任で行ってくださいね。


非居住者になったら口座を閉鎖する、とか機能を限定する
というのは、特に、信用取引と呼ばれる
「証券会社がやり取りする株券を担保にお金を貸して」
取引する口座があるからです。普通の売買なら
お金や株券を預かっているだけなので、預かっている株券が
紙切れになろうが問題はないのですが、お金を貸して
取引させる場合には、貸したお金の返済原資となる
株券が紙切れになる前に売るなどしたいわけですから、
要は証券会社は金貸しになっている状態なので
債務者が手の届く範囲にいて欲しいので、
それが海外にいるとなると困る、という論理なのです。

で、じゃあ、普通の取引なら代理人を置けば許してくれる
ところもあるようなので、ということで、普通に、と
思うと、新規で口座開設を行う場合には、「本人確認法」と
いう法律のハードルが待っています。
これは、テロリストやや○ざの資金洗浄のためや
振り込め詐欺のための偽名口座が出来ないように、
その人が本人であることを確認することの義務付けを
銀行や証券会社などに求める法律です。

で、それによると、顔写真つきで住所の記載のあるような
証明書の写しの提出と、その住所に転送不要の郵便物が
届くこと、が出来れば問題なさそうなのです。


となると。。。
国内の(出来れば同じ苗字の)親族宅の住所の記載された
運転免許の写しなどを使ってその親族の人に申し込み用紙を
投函してもらうなど、あたかも本人のごとく口座の手続きを
とってもらうことで処理できそうですね。
# ちなみに、これは証券会社や銀行だと可能ですが
# 本人確認を電話で行うクレジットカードの申し込みの
# 時には使えません。。。カードも結局は金貸しですから。

もしくは、大手証券会社のように窓口とweb の二本立ての
ようなところですと、二週間くらいの短期で帰省した
タイミングで窓口に出向いて手続きをとってしまうのも、
手ですね。


これでなんとか口座開設までは出来ました。
しかし、実際に口座を使って売買するというときに、
海外のパソコンからweb 経由で発注をすることになる
と思うのですが、どこの国のパソコンからのアクセス
があったか、というのは本気になって調べると簡単に
分かるので、たまにアクセスする程度ですと旅行先から
かな、程度に思われるでしょうけれども、頻繁に
アクセスしていると怪しまれたり、証券会社のシステムの
メンテナンス時間が居住地の昼間にあたってしまうと
web 経由で発注できなかったり、海外から電話で発注
となると発信番号でばれたり、などなど、その後の
口座を利用する際に面倒が起きる可能性があったりします。


とはいえ、海外の個人向けの証券ブローカーで日本株を
カバーするところはほとんど無いことを考えると
なんとかしたいですよねぇ。。。


ちなみに、書類を整えれば、もっと身元の怪しいヘッジファンドなどには
口座を開いてくれるのですが、そこは取引の量の違い、
翻ってどれだけフィーを落としてくれるか、という手間と
収益との兼ね合いのようなのですね。。。

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