蘊蓄は語る(笑)

4/27/2009
(注) この記事は 2008年 4月19日の記事の再録です。

最近、また本をむさぼるように買って読むことにはまりつつあります。
近頃売れっ子となった経済評論家、ムギさんこと勝間和代女史のように
月に10万円をつぎ込んで片っ端から読むことはできませんが、
一時期のようにビジネスのノウハウ本にだけ、ということなく
気になる雑学にも手が伸びるようになってきたのです。

ある種の余裕ができたのか、それとも、単に飽きたのか(苦笑)

いずれにせよ、雑学とはいえ、一つのテーマに注視して調べの限りを
尽くした人の言葉はやはり重く、また、よく知っているが故の明快な
語り口や奥の深さに驚かずにはいられなくなるものです。

で、そんな中ちょっと毛色が違うものの同時に読んでしまったがために
比較されてしまった不幸な書籍たちをご紹介したいと思います。

一つは、神保町で大ヒットな



もう一つは、本屋で平積みになっていた




前者は、朝日新聞あたりの書評にもあげられているので
ご存知の方も多いと思うのですが、現在の都道府県の境というのは
昔からあった訳ではなく、特に明治以降に国や地方、そして住人たちのいろいろな思惑が
絡み合って現在のような境が出来た、ということで、そんなドラマをつまびらかに
していくのがこの本の趣旨、というと、ざっくりしている訳ですが(笑)
特に和歌山の飛び地というものがなぜあのようになったか、というのは
その土地の人たちのその外の生活のつながりが何を軸に作り上げられてきたか、
といった、その土地土地の歴史の産物だというのがじわじわと感じさせられる
と言う意味で、実は小学校で自分の土地を知るための教材にしてもいいんじゃないの?
とも思ってしまいました。

後者は、私は今回この本を手にして初めて知ったのですが、鉄道に関する
いろいろな書籍物をたくさん手がけられていた方の、これまた鉄道地図、と言うよりも
鉄道の敷設や日本の鉄道会社の生い立ちなど、やっぱり歴史の積み上がりの
結果としての今の鉄道網がある、ということをジックリじわじわ教えてくれる
本なのですが、最近の「鉄」ブームにこびることなく(笑)マニアックな話の
オンパレードとあいなりました。


さて、いずれも多分その道(?)では第一人者と目されている人の著書であり
内容の深さはいずれも互いに劣ることはないと思うのですが、正直後者のほうが
さらに中にぐいぐい引き込まれるものを感じました。

いや、私が「鉄分がそこそこだから」という理由では決してなく、最後は
プレゼンテーションの仕方が大きな違いだった、そう思うのです。
前者はある意味ガイドブック的な淡々とした、でも奥の深い説明が続くのですが、
後者は言葉巧みな表現である種の対話をしながら深い世界に徐々につれていかれるような
そんな違いがあったようにおもいます。

無論、前者のような説明が必要な時もある訳ですが、コマーシャルとしてみたときには
後者の方が人を惹き付けて実際に、例えばそんな北の最果ての地までいってしまえる手軽さも
必要になるんだろうなぁ、と思いました。

ということで表現力はものを書く時の力になるんだ,ということで、この間
買ったはいいけど読んでいない本の一つが。。。



。。。がんばりましょう!

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